Lost in Translation: An Asperger in Tokyo zashikiwarashitanのブログ

アスペルガーである自分が、座敷わらしのように自分を歓迎して大切にしてくれる数少ない人々に繁栄と幸福をもたらす存在になって、残りの人生を有効に生きるため、日々試行錯誤したことを記録するただの自分用ノート代わりの日記

商欲 新華僑パワーのルーツ

商欲 新華僑パワーのルーツ

 

読んだ目的:

華僑の人のサバイバル能力、ビジネスパワー 、情報人材ネットワークの威力の理由を知りたい。

また、彼らの生活、仕事、悩み、喜びなどを知りたい。

 

印象に残った箇所:

  1. 海外在住の華僑3000万人。「中国の台湾、香港、それに華僑がある。」
  2. 司馬遷史記:農耕、牧畜、匠、きこり、行商、店商の順。(生計を営むのに身を危険にさらさずに収入を得ようとするのは賢人がもっぱら努めるところである。だから農業によって富を得るのが最上の策であり、商業によるのがその次であると断じる。)しかし、富をとる近道としては商人になることを勧めている。「農は匠に及ばず、たくみは商に及ばない。刺繍をするよりは、市場に出て商売せよと言われるが、これは商業は貧者にとって富を求める近道だとのことである。」
  3. 華僑の居住地:インドネシアシンガポール、タイ、アメリカ大陸、ヨーロッパ諸国と世界160か国以上にわたる。ほとんどのチャイナタウンが地元の政府機関のすぐ近くの繁華街にある。 (必要な情報をキャッチしやすいし、最も大事な安全を確保できる。)新宿歌舞伎町、大久保、池袋、中野、高円寺は、新華僑とその予備軍に相当する留学生が最も密集している地域である。裸一貫で海外にわたり、異国の地で生活を営む中国人がどこの国に行ってもホームレスにならずに済むのは、勤勉で低賃金でも働くからという理由以外に、中国人同士で互いに助け合う同郷団体があるからである。
  4. 社会福祉が完備され、成熟した社会システムを有するスイスのような国では、資本力のない人にあまりチャンスがないことを悟り 、東欧で定住地を決める新華僑。(出版されたのは95年)
  5. ベテランの中国人商人はほとんど中華レストラン 経営。 一方新しい華僑の会社は中国製品の輸入販売を主な業務とする商社が多い。
  6. 海外生活の鉄則 :大都市は働き口が多く情報の発信地でさらに大きなチャンスを掴む可能性が大きい。それに収入も多く最短の期間で事業を興すのに必要な原資をためることができる。これらの全てが華僑を大都市に引き寄せる大きな魅力である。
  7. 夢を実現させる第一歩は、会社を作ることに必要な原資をできるだけ短期間に効率よく貯めることだ。 次はできるだけ少ない資金で大きい仕事をたくさんできるようにすることだ。そこで、新しい華僑は、原資を作るところと事業を起こすところを分けて考えるように発想を根本的に変えた。 例えば日本やドイツのような国は 、永住すること が難しいが、世界的に見れば賃金は断然高いから、「原資を作る国」にした。そこで2年間身を粉にして懸命に働き、会社作りに足りるだけの原資を手に入れたら、物価水準が目立っていく商品がまだ不足しがちな国に活躍の舞台をうつしてそこで会社を作る。例えば、ロシア、チェコルーマニアポーランドハンガリーケニア南アフリカスリランカなどの国々は彼等にとって願ってもない絶好のビジネス舞台だ。日本にやって来た時100ドルぐらいの金しか持っていなかったが、5年間で一千万円もの大金を建築現場の肉体労働や、レストランでの皿洗いなど、身を粉にして働くきまくってためた。そして思い切って経済大国と見られる日本を後にして人生の第2の舞台を選ぶ。
  8. 日本とモスクワで最も違うのは、日本では自分の力だけでやることはなかなか難しいこと
  9. 混乱の中にこそチャンスあり:どんなに厳しい条件の土地でも、人が住んでいるところには必ず必要最低限の生活需要が生じる。着るもの、食べるもの、そして日用雑貨、布団など暮らしの暮らしに欠かすことのできないもの。こうした物を持ち込んで商売をすれば儲からないはずはない。もちろん条件の厳しい土地で商売をする場合はリスクが大きい。しかしそのぶん、競争相手が少なく、大きな利益を得られることも魅力的である。
  10. 香港最大の不動産グループを率いるリカシンは、文化大革命が起こり、不動産の買い手がほとんどいない状態の中で逆にチャンス到来と判断し大変なリスクを犯して大量に不動産を買い漁った。
  11. 逆境が福を呼ぶ
  12. 生きる意欲をかけて商売するのは、華僑が成功する最大の秘訣なのだ。
  13. たとえ人間としての尊厳を一時的に捨ててしまってでも、生きぬいてさえいければ、いずれまた返り咲くこともできる。」と信じている生き方。
  14. 中国語には絶望の淵に追い詰められた時でも、生きていく自信をなくさないように激励することわざがたくさんある。^現在、一時的に黄河の東側に立たされてしまっても、30年も経てばまた川の西側に戻れる。^苦難の中の苦難を舐め尽くして初めて人間の上に立つ人間になれるのだ。
  15. 働けるうちはどんどん働く。上昇気流にのった時でもなまけずに今までと同じように骨身を惜しまずに働く。移住先の国民より長く働くことは着実に財を成し、そしてて定住先の中流階級を上回るような経済力を身につけた最もポピュラーなコツである。
  16. 質素な個人生活:外食はほとんどしない。お金を使わせないように気を使う。
  17. 鶏口となるも牛後となるなかれ(大組織、一流企業の中の下っ端の一員やどん尻に甘んじるよりも、たとえ小さな組織や二流でもその中のかしら屋リーダー的存在となった方が良いということ):小さな組織には大組織のような包容力がないから、毎日、真剣勝負の生活を送るには実力が求められる。ごまかしが効かない。それは大変なことであると同時に、とても刺激的なことでもある。
  18. 就職難のニュースを見て: 意気地のないことを言うんじゃない。実力がない人間は就職しか道がない。実力があれば、経済が不幸のどん底に落ちていても、仕事がその人追ってくるものなの。まずはうんと勉強して実力のある人間になることを考えなさい。
  19. 大きくなったらケーキ屋さんにでもなろうかという娘に:なんでそんな小さな夢しか見れないの。子供には無限な可能性があるから、小さい時は大きな夢を見るべきよ。そうすると、その夢を実現するために、一生懸命に努力するようになるの。とにかく他の人間があまり思いつかない、面白くて人様に役立つような仕事を考えなさいよ。
  20. 天が生み出したこの私は、持っている才能が必ず活かされる日を迎えることができる。失った財産もいずれはまた戻ってくるに違いない。( 失意の底にあった李白がよんだ詩)
  21. 中国では、成功者とはある分野で優れた業績を上げただけではだめだ。同時に金持ちでもなければならない。庶民もその両方を備えた人物を崇拝する。(鄧小平)
  22. 経済力を身につけて初めて自分の安全を守れる、自らの求める理想を現実化することができるのだ。
  23. 中国人は金が貯まるとすぐゴールドにかえる。そのゴールドはもちろん換金性が最も高い24Kでなければならない
  24. 待遇から能力評価の程度を判断:経済改革が進む沿岸地区の企業の中には、自ら高い収入を求めない応募者を採用しない方針を決めている会社もある。自分の能力に自信を持っていない証明だというのである。中国人社会では、再三待遇改善を求めるような人物の方が評価されやすい。
  25. 人権を侵害されたら黙って彼らは泣き寝入りしない:泣き寝入りをしないばかりでなく、東京地方裁判所に会社を訴えると同時に、マスコミにも会社の誤った対応を公開した。
  26. 中国人の社会には、割り勘という考えは存在しない。中国人が最も嫌うのは、富をなそうとして薄情なことをする人間、あるいは金持ちなのにケチで、多くの人のためになるようなことをしない人間である。
  27. 散財の文化:金を持つ人間は金を出せ、金は持たないが労働力を提供できる人間は力仕事をやれということである。
  28. 異国の地で最大の武器は勤勉精神と徹底的な情報収集である。他人によりいかに早く、的確に情報を掴む勝負が決まる。