Lost in Translation: An Asperger in Tokyo zashikiwarashitanのブログ

アスペルガーである自分が、座敷わらしのように自分を歓迎して大切にしてくれる数少ない人々に繁栄と幸福をもたらす存在になって、残りの人生を有効に生きるため、日々試行錯誤したことを記録するただの自分用ノート代わりの日記

ハウスワイフ2.0

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・読んだ目的:

一流大学を出て、待遇の良い職を捨て、続々と主婦になるアメリカの若い世代が増えていることなぜかと興味を持ったため。

 

・印象に残ったこと

1.わざわざ手作りして何になるのだろう?

・ 私達の時代は経済も環境も危機に瀕している。こんな時代だからこそ、誰もが人として真に意義のある人生を送りたいと本気で考えているのだ。

・人が生きていくために必ず身につけなければならないこと。人は誰だって食べなければ生きていけない。だから、男だろうと女だろうと料理をするの当たり前だ。

・家族とどれくらいの時間を過ごすかを、なぜ会社に決めさせるの?

大草原の小さな家のローラみたいに暮らしたい。

・保存食作りや裁縫が流行っているのも、少しでも倹約したいという気持ちの表れだ。

・ 崩壊した経済のとばっちりを受けた女性の避難場所は家庭というわけだ。

2. 社会が不景気で信用できないと、結局は自給自足にいきつく。

アメリカ人の約1/4が減給や節約のために、何らかの手作り生活をしている。さらに10%程度の人が裏庭で農業を始めるなどして、さらにシンプルな暮らしに徹している。イギリスでも国民の約4分の1が、家族と過ごす時間を重視して低収入の仕事に転職している。

・自発的にシンプルな生き方に切り替えた人は、収入では国民の平均年収より1万5000ドル下回っている。 彼らの年収は約26000ドルなのだ。

・新しい農業家は、大抵自然か不自然かで物事を判断したがる。ドラッグストアで売っている石油系のシャンプーは不自然で、オリーブオイルの石鹸は自然という具合だ。

3.女性だけじゃない。20、30代の男性もお金と権力にはさほどこだわらず、仕事と家庭のバランスを大切にするようになった。これは、怠け者や大人になりたくない男性だけの現象?いやそうは思わない。

4.今は、家事に専念するために仕事を辞めるのは、後ろめたい個人的な事情ではなくなった。女性として立派な決断なのだ。

5.1950年代の 専業主婦は、郊外の家で一日中一人きりで過ごし、時間を持て余していらだったり不安になったりして、精神安定剤を飲みながら暮らしていたという。ハウスワイフ2.0は目的意識を持って家事をこなし、生き方に誇りを感じている。家族のためにも、社会全体のためになると信じているのだ。

6.フランスは有給休暇年間30日。

7.もらえた産休は6週間だけで、身も心もボロボロになった。

8.ハーバード大卒でも単調な事務仕事しかなかった。

9.ブログで主張する

・主婦ブロガーのうち、どれぐらいの人がブログでお金を稼いでいるのだろう?

→ ほんの一握り。収入をブログから得ているブロガーはわずか20%にもならない。収入と言っても平均すれば年収1万ドル以下。 経済的に自立したいなら、外へ出て、9時から5時まで働いた方が良さそうだ。無数の読者がいる人気ブログは、そこまでたどり着くのに10年はかかっている。

10.手作りで稼ぐ光と影

・Etzyへの出品者が最も多い街は、モルモン教の総本山があるユタ州で、そこはアメリカで最も保守的な町と言ってもいい。

・新たな手作りビジネスの波に乗って、 生計を立てたいと野心を抱いているなら、前途多難だと覚悟しておいた方がいい。 一つのイベントだけでも、500人以上の手作り起業家志願者が集まったのだ。 まずは一旦立ち止まって、じっくり考えてみよう。商売敵が、この世にどれぐらいいるか。

・ 手作り愛好家が簡単にビジネスを始められるのはいいけど、あまりに簡単すぎて、このブームがそう長くは続かないということまでは考えられずにいるみたい。

・ 不景気で会社をクビになる人が増えると、自営業に憧れるものだ、と経済学者のナンシー・フォルバーはいう。ところが不景気の時こそ、自営業は危険なのだ。

11.オーガニック

・低温殺菌法が考案されるまでは汚染された牛乳を飲んで、コレラリステリア菌、牛結核などで命を落とす子どもが後を絶たなかった。

・バターはそもそも酸化しやすい。

産業革命以前の家族農場を夢見る人が大勢いて、現代の食品に使われている科学技術ー低温殺菌法、乾燥、冷凍、栄養強化、缶詰などが素晴らしいと考えるアメリカ人は60%にとどまっている。その60%の中でも近代的な科学技術で食の安全が高まったと答えているのはわずか30%。だけれど、実際には現代人は、科学技術のおかげで健康でいられると言ってもいい。

12.ケール:アブラナ科の野菜。栄養満点で、アレルギーの改善、生活習慣病の予防、ダイエット効果も期待できるとされている。日本では青汁の材料としても有名。

13.完全なハウスワイフ2.0へバージョンアップするために必要なこととは。

・社会全体の問題を何もかも個人で解決するとなると、時間やお金がない人を置いてけぼりにしかねない。

・ 全体の利益より、個人の利益ばかりを主張すれば、アンチ予防接種のせいで生きているような深刻な問題が出てくる。

・ 自然の子育てを神のように崇めたら、男女差別を認めて男性には子育てができないと言っていることになる。

・外で働く=魂を奪う出世競争と決めつけたら、現に一生懸命働いている女性までやる気を失って社会、社会で活躍する女性がいなくなってしまうかもしれない。

・本物の富裕層は違う。超難関医大を出た外科医は、趣味で編み物をしたとしても仕事を辞めて生活を切り詰めてまでネットで手作りの店を開こうと思わない。やりがいもあり、責任も重く影響力もある、ハイテク産業の重役がアタッチメント育児方にのめり込むこともないはずだ。そこが、不満だらけの仕事を辞めた中流家庭のママとは違うのだ。

・どれだけ家事に手間をかけているかで、人のことや自分のことを判断するのは時代錯誤で愚かだ。

・専業主婦になるには先立つものが必要だ。経済的自立を大切にする。 ほどほど恵まれている中流階級だと自覚する。

・ 「社会に無関心な、優雅な引きこもり」に終わらないように。

14. ブラウニー:19世紀末に米国で考案された濃厚なチョコレートケーキ。 平たく大きな四角形に焼いて手づかみで食べられるように小ぶりの正方形にカットする。 アメリカの学校や教会のイベントでは必ずと言っていいほど登場する。

 

・この本をきっかけに、読んでみたい本:

  1. 「居心地の良い家 芸術と科学で家事をする」(未訳)メリル・メンデルソン著
  2. 「LEAN IN」シェリサンドバーグ
  3. 雑食動物のジレンマ
  4. ファーストフードが世界を食いつくす
  5. フードインク(映画)
  6. 料理嫌いの料理の本