厳密に見える数字が実はいいかげん
経営学者のピーター・ドラッカーは「新入社員が1年も会計を勉強すれば、利益操作など簡単にできる。特に『償却』費用がポイントである」と述べている。
バフェット流の重要な要素である「ブランド価値=のれん」は会計項目としては設定されているが、それはブランドの価値を反映するものではなく、基本的にはM&Aの際に支払った金額の会計上の調整に使われる。従って、コカ・コーラやアメックスなどの強力なブランドの価値は決算書に反映されていないのである。
決算書の数字を基にした「定量的分析」よりも、「社風」「ビジネスモデル」などの数値化できない「定性的分析」に軸足を置くのも、厳密に見える数字が実はいいかげんだからだ。