世界のビジネスリーダーが今アートから学んでいること(Renaissance of Renaissance thinking- A new paradigm in management) ニール・ヒンディ(Nir Hindi)著 クロスメディアパブリッシング
読んだ目的
・ スティーブジョブズがカリグラフィーを学んでいたように、データだけに頼らず、アート的なセンスで新しいビジネスモデルを作り上げるビジネスリーダーとアートの関係性に興味を持った。
印象に残った箇所・気づき・思ったこと:
1.ユニコーンと呼ばれる資産評価額が16ドルを超える非上場企業のうち、 なんと21%もの企業の創業者が、アート・デザイン・音楽といったクリエイティブなバックグラウンドを持っている。(「 DESIGN in TECH Report 2016」)
- 不確実性と曖昧性の高まったこの世界で、企業難しい舵取りを迫られている。分析的・論理的なマネージャーが管理し、「実行あるのみ」という考え方が受け継がれてきた企業にとっては、 特に厳しい状況。
3.科学と芸術はコインの裏と表でもなければ連続体の別々の部分でもない。むしろこの二つは同じものでそれが異なった現れ方をしているだけ。芸術も科学も、人間の創造性の化身なのです(宇宙を旅行した初めてのアフリカ系アメリカ人女性メイ・キャロル・ジェミソン)
4.ミネルバは科学と芸術の女神である。
5.ガリレオによって天文学の新しい道が切り開かれ、 それまで誰も想像しなかったような事実が明らかにされていった。 ガリレオは29歳の時、フィレンツェにある絵画・彫刻・建築が教えられるアカデミーで、線遠近法と明暗法を学んだ。
- モールスは発明家になる前、画家として名を成していた。イェール大学を卒業後、ボストン、ロンドンの王立芸術院で絵画を学び、ヨーロッパで見たルネサンス期の巨匠の作品に大きな影響を受けたそう。当時、アメリカ人の大半はヨーロッパを訪れる機会がなく、アメリカの美術館の数も限られていたことから、ルネサンスの素晴らしい芸術に触れることはほとんどなかった。このため、モールスに言わせると、アメリカ人の趣味は洗練されていなかった。彼はアートに対するアメリカ人の理解を深め、鑑賞力を高めようと決めた。アメリカの文化と生活の本質を絵画で捉えようとした。
7.1906年にノーベル賞を受賞しニューロン発見したカハルは、子供の頃、スケッチ・絵画が好きでどこにでも絵を書いた。16歳の夏、彼は解剖学というものを知り、これが彼の人生を変え、歴史を変えた。
8.絵画彫刻などの視覚芸術を趣味にすると、ノーベル賞受賞の確率が7倍になることが分かった。写真は8倍、演劇・ダンス・技術などのパフォーマンスは実に22倍である。
9.科学者は研究に取り掛かる前に、それがどのようなものになるか、頭の中で見ている。様々なアートに関わると、 様々な見る方法が身につく。
10.私たちが必要としているのは、 人間にとって本当に価値のある斬新なアイデアである。新しいものを生み出す過程を自動化するのは難しい話ではないが、価値のある新しいものを生み出すプロセスを自動化するのは容易ではない。自動化では、きちんと説明のつく量的価値が求められている。創造では、 どこかとら得がたい質的価値が認められている。
- 初めは何の資料も読まずに美術館へ行く。作品に触れ、アーティストの伝えたいことを感じ取り理解しようとする。そこから家に帰って、 その美術展について書いたものや批評家の意見を読み、アーティストの情報を仕入れ、インタビューを聴く。そしてまた、同じ展覧会に行く。仕入れた知識を高めながら見ていると、メッセージはリテールは何層にもなって現れてくるそう。
- 創造的な人々にとって最も重要なエネルギーは、おそらく好奇心だろう。(ロバートラウシェンバーグ)
13.ブログ「ブレイン・ピッキングズ」https://www.brainpickings.org/
15.創造的な人々はあまり賃金交渉したがらない。彼らは正当な評価をされていないと感じたら、普通予想されるのとは逆の行動をとる。以前より懸命に働くのだそうだ。自分もこのようなポリシーで働いてきたが、安く使い捨てられただけだった。。 アスペルガーやこのようなタイプの人達は、素直で真面目かつなかなかうまく言語化できないから付け込まれやすいんだろうな。。(違うタイプの迷惑な人格障害を併発したアスペルガーもいるらしいが、一緒にしないでほしい。)
16.失敗という言葉にはぞっとさせられる。だが、創造的革新的であろうとするなら、 失敗は避けられないということを心に留めておかなければならない。失敗を容認する文化、 空には失敗から学ぶ文化を築くことが肝要だ。
- わざわざアスペルガーのような感覚を求めて、アンテナやセンサーを頭や体に埋め込み、色や振動、気圧を感じようとするアーティストもいるらしい。。